鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第14章 :無知は罪〜終わりの始まり編❷〜
エルヴィンとハンジがそれぞれ執務室に戻り…1人になったリヴァイは、書類に視線を落とした。
リンの様子に変化があるまで、側から離れる事が出来ず…医務室に書類を運ばせ、そこで仕事をしていた。
コンコン
「入れ。」
静かにノックの音がして、ペトラが入って来る。
「兵長、追加の書類をお持ちしました。」
「あぁ、悪いな。」
書類を受け取り、ベッド近くのテーブルに置く。
「あの兵長…リンさんの様子は、どうですか?」
「別に何も変わらん。未だ目も覚まさず、ピクリとも動かない。」
リヴァイは書類から目を離し…眠り続ける少女の顔を見て、眉間のシワを深くさせた。
「そう…ですか。あっあの私達…リンさんがいつ起きてもいいように、さっきお菓子沢山買って来たんです!」
「そうか。コイツの事だ…目覚めて第一声に、腹がへったと言うかもしれねぇ。」
「はい…早くその姿が見たいです。」
「あぁ。」
リヴァイは少女の髪を、優しく撫でた。
ペトラはリヴァイのその姿を見つめ、退室する。
(リンさん…早く目覚めて下さい。あなたがいないと兵長だけじゃなく、団長やハンジさん・兵団全体に活気がない気がします。私も…早くいつもの元気なリンさんに、会いたいです。)
祈るように扉を見つめ、医務室を去った。