鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第14章 :無知は罪〜終わりの始まり編❷〜
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「リンの父親を殺したのが、まさか例の同郷の幼馴染だなんて…どんなに傷付いただろうね。」
「……。」
「ライキ殿、怪我した彼女に勝算はあるのでしょうか?」
〔2つ方法がある。1つは術者の呪具を壊す事。だがこれは…まず呪具がどこにあるか、確認する必要がある。探してる間に傷が増える危険があり、かなり無謀な方法だ。〕
「これ以上怪我が増えるのは、絶対ダメだよ!」
「もう1つは?」
エルヴィンが問う。
〔もう1つは…術者を殺す事だ。これが1番確実で、安全な方法だが…マスターには過酷な選択だ。〕
「チッ!」
人を殺す事を怖がっていた少女を思い出し、リヴァイは舌打ちする。
〔我らはマスターの望まない事を、強要する事は出来ない〕
「私だって言えないよ!」
「…俺が言う。」
リヴァイはライキを見据え、ハッキリと答えた。
「リヴァイ?!」
「心配するな、次は俺も一緒に行く。あいつが出来ないなら、俺が殺る!…あいつだけに背負わせねぇよ。」
「…分かった。リヴァイ、頼んだぞ。」
「了解した。」
〔すまない…頼む〕
「あぁ。」
エルヴィンとライキの言葉に、リヴァイは静かに頷いた。