鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第14章 :無知は罪〜終わりの始まり編❷〜
「それから俺は君に会う方法を探しながら、呪術師仲間も探してあちこち彷徨い…ついに襲撃の協力者を見つけた。彼らも俺たち呪術師と同じように王の命令で、リトリートを探しててね…利害が一致したんだ。」
カナメは淡々と喋り続ける。
「俺は作戦の第1段階として、郷の中に協力者を送り込む事に成功した。リトリートは東洋人の子供を保護してるからね、それを利用したんだ。ニアという子供が来ただろう?」
『ニア?』
確かに…1年前リトリートで保護した、東洋人の子供の名だった。
「あれは俺が送り込んだんだ。郷の中から結界を開ける役目として。役に立ってくれたよ〜ニアは。」
『でもニアは……』
リンは襲撃後…郷を訪れた際に見た、小さな亡骸を思い出し唇を噛んだ。
「あぁ気にしないで。ニアは襲撃の際俺が始末したんだ、証拠隠滅するために。もう用は済んだからね。」
『何…を…言ってるの?ニアを殺した…?』
笑顔で淡々と喋り続けるカナメに、恐怖と驚きで目を見開く。
そして1番聞きたかった事を聞く為、静かに口を開いた。
『私の、お父さんを殺したのは…誰?』
「カイさんを殺したのは、俺だよ。あの人は仕方ない!せっかく郷に入れたのに…リンをこっそり逃して、また俺と君を引き離したんだから。」
『カナにぃが…お父さんを?』
カタカタと身体全体が震え…リンは自分の身体を強く抱きしめた。
涙が溢れ…頰を雫が滑り落ちる。
リヴァイの側でしか泣かないと決めていたのに、涙は全く止まる気配がない。
「本当に殺したかったのは、俺の手を切断し追放したあの女なんだけど…それもカイさんが逃しちゃったから、せめてカイさんは俺が殺してあげようと思ったんだ。知らない奴に殺されるより、ずっといいだろう?」
リンは泣きながら、左右に首を振る。
「君はやっぱり、泣き顔も可愛いね。さぁ、君の知りたかった事は話したよ。そろそろ行こう!」
カナメはリンに手を伸ばし、笑顔を向ける。
『貴女とは…行けない。』
リンは涙をぐいっと拭き、カナメを睨むと後退る。
そして雷刀の切っ先を、カナメに向けた。