鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第14章 :無知は罪〜終わりの始まり編❷〜
「やっぱり…あなたシャーマン(呪術師)だったのね!ルーサ様が言っていた通りだった。…マナは早く、ルーサ様の元へ!」
母親はマナを背に隠し、先に逃げるよう促す。
「逃がさない!」
黒い靄が長く伸び、母親の腕に絡みつく。
「そうだよ。俺は最初から、お前たちが嫌いだった!リン以外は全て…死ねばいい。」
絡みついた靄が、手首から下の手全体を包み込み…消滅させた。
「いや〜!!手が…手が〜!!」
「お母さん!!止めて…カナメ兄、お願い!!こんな事…リンが悲しむ。」
マナが間に入り叫ぶと…カナメが動きを止める。
「リンが…」
その瞬間…突然雷が出現し、カナメの身体を包んだ。
しかしカナメは全く怯まない。
「「ルーサ様!!」」
「遅れてごめんなさい、マリア,マナ。」
親子の前に現れたリンの母親:ルーサは、2人とカナメの間に立ち…雷を帯びた刀の切っ先をカナメに向けた。
[マスター、フェイとレイを呼び戻すか?]
[ダメよ、ライキ。カイの方が人手が必要でしょ。早くリンを見つけなきゃ!鈴があの子の手元から離れている今は、見つけるのが困難だもの。]
ルーサはシガンシナ区へ父親と出かけ、行方不明になった9才の娘:リンの身を案じ…渋い顔でカナメを見据えた。
「あなたをずっと、監視しておいて良かった。その額の紋章…あなたは私達東洋人を抹殺するよう、王から命を受けた【呪術師の末裔】ね!そろそろ本性を見せる時だと、思っていたわ。」
「そうみたいだな…記憶が封印されてたみたいで、俺もさっき知ったよ。」
「あなたを…この郷から、追放します!」
そう言って握る刀を一振りすると…カナメの付けていた鈴が、切断された手首と一緒に落ちて消滅する。
「クッ…!」
[マスター、追放は生温い…殺すぞ!]
[そうね。でもここで戦うのはダメ!周りを巻き込んでしまう…]
しかし気付いた時には既に、カナメの姿はなく…声だけが郷に響き渡る。
「俺を逃した事を、後悔するがいい。リンはいつか必ず…俺が貰う!!」
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