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鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】

第14章 :無知は罪〜終わりの始まり編❷〜



『どうして…どうして、カナにぃ!』

「俺はあの郷が嫌いだった。郷の住人も嫌いだった。俺を追放し、君と引き離したあいつらを…俺はずっと憎んでいた。俺はただ君が好きで大切で…ずっと一緒に、生きて行きたかっただけなのにな。」

カナメは先ほどと違い、少し切なげな表情で微笑する。


『一体何が…カナにぃをこんな風に、変えたの?』

「君は…俺が郷の外から来た人間だって、知っていたか?」

『知ってるよ。でも郷にはそんな人、沢山いる。カナにぃだけ特別じゃないでしょ?』

「それは違う。リトリートは壁内の東洋人保護はしているが、異端な東洋人には冷たい。つまり俺のような…な。」

『…異端?』

「俺は…壁内の王に代々仕える【呪術師の末裔】と、東洋人のハーフだ。…まぁ俺も5年前まで、知らなかったんだけどな。」



「5年前のあの日…自分の正体と真実を知ったあの時、俺の幸せの終わりが全ての始まりだった…」



〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


彼は5つの時…東洋人の血筋であった為、1人リトリートに保護された。
だがその頃はまだ、郷の外から来た東洋人は彼しかおらず…出生が不明だった彼は異端者として扱われ、毎日監視されてるかのようで孤独を感じていた。

ある日、彼は小さな少女に会った。
少女は異端者の彼に恐れもせず近寄り、突然話しかけて来た。

『あなた…だぁれ?私はリン。いっしょにあそぼう!』

満面の笑みで手を差し伸べる少女は、彼の孤独な世界を変えた。



少女は郷長夫婦の一人娘で、名前はリン。
純血の東洋人で、誰からも愛される子供だった。

孤独だった彼の心を、少女が癒してくれた。


彼は少女の幼馴染で親友:マナと共に、よく一緒にいるようになった。

『マナ〜カナにぃ、早く早く〜!』

この少女の笑顔をずっと守りたい。
いつかこの郷で結婚し、幸せにしたい。


そう思っていた…5年前のあの時までは。

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