鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第14章 :無知は罪〜終わりの始まり編❷〜
「何だ?」
『カナにぃはどうして…第2の郷へ続く扉の開き方を、知っているの?私が知らなかったのに。』
「…知らなかったのか?それで…あと聞きたい事は?」
カナメは質問に答えず、次の質問を促す。
『鈴。郷の証の鈴を紛失したって言ってたけど…あの鈴が紛失しても自分の元に返って来る事くらい、私だって知ってる。カナにぃの鈴…本当はどこにあるの?』
真剣な表情で見つめる少女に、カナメはフッと笑うと空を仰ぐ。
「それは流石に知ってたか…。」
『カナにぃ?』
「俺の鈴はもう無い。紛失したんじゃない、壊されたんだ…君の母親に。」
『追放…されたんだね。』
「あれ?それも知っちゃったか…。やっぱり郷の箱入り姫様が、外に出るのはダメだよな。外に出なければ調査兵団なんかと、一緒に居る必要もなかった筈だ。」
『…調査兵団なんか?』
「あぁ。巨人がウジャウジャいる壁外にわざわざ出て行くなんて、あんな死に急ぎ集団…頭おかしいだろ?」
『みんなを馬鹿にしないで!』
リンはカナメを鋭く睨んだ。
「フッ…怒った顔も相変わらず、可愛いな。そんな事より…聞きたい事はそれだけか?」
リンは戸惑い躊躇するが…カナメの目を真っ直ぐに見つめ、ゆっくりと口を開く。
『…カナにぃは…郷の襲撃に関わっていたの?』
「…あぁ、そうだ。手引きしたのは俺だよ。」
昔と同じように笑いながら話すカナメに、リンは恐怖を感じ震えた。