鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第14章 :無知は罪〜終わりの始まり編❷〜
「あ"?」
「えっ?!」
「どういう事でしょうか?フェイ殿はユトピア区に居たのでは?」
〔あれはあの男の吐いた嘘だ。フェイは郷襲撃の際、既に捕らえられていた。〕
「また嘘?しかも襲撃って…やっぱり彼は…」
「てめぇはあの時、イレギュラーだと言った。4体目じゃねぇなら、何故あいつに危害を加える?」
〔呪具で操られた術者によってフェイは縛られ、操られている。〕
「で、でも…守護獣だって2体いるんでしょう?それでも押さえられないの?」
〔悔しいが…フェイは守護獣の中でも最強だ。攻撃・防御・回復、全てを担っている。しかも今のフェイは呪によって正気を失い、制御不能状態だ。我々でも太刀打ち出来ない。〕
「チッ…クソが!!」
リヴァイは舌打ちをし、ベッドに横たわるリンの手を優しく握る。
未だ血を流し続ける少女の顔は青白く、小さな手は心なしか冷んやりしている。
「雷獣…今日あの男に会って何を話し何があったのか、全て話せ!」
〔あぁ…〕
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数時間前〜トロスト区 噴水前〜
待ち合わせ場所の噴水前に行くと、青年:カナメがリュックを背負い少女を待っていた。
「リン!待ってたよ。あれ…荷物少ないな。まぁユトピア区まで結構かかるし、荷物は少ない方がいいけど。じゃあ、行こうか!」
嬉しそうに手を差し出す。
『その前に…カナにぃに幾つか、聞きたい事があるの。』
少女は真剣な瞳で、カナメを真っ直ぐ見据えた。