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鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】

第14章 :無知は罪〜終わりの始まり編❷〜



ー エルヴィン執務室 ー


「ね〜やっぱり私も一緒に、リンに着いて行くべきだったんじゃないかな?リヴァイみたいに殺気剥き出しにしないから、側にいてもバレないだろうしさ!やっぱり今からでも追いかけて…」

ハンジは執務室のソファに寝転び、足をバタつかせながら口を開く。

「ハンジ…いい加減にしてくれ。お前の書類が終わらないと、次に目を通すリヴァイや私も仕事が終わらない。あの子が心配な気持ちは分かるが、まず本来の仕事をしてくれないか?」

エルヴィンはハンジを一瞥した後、大きなため息を吐くと…また書類に視線を戻す。

「でもさ〜あんなに怪しい呪具を渡す男に、1人で会いに行くなんて…やっぱり心配だよ。嫌な予感もずっとしてるし…。」

「心配なのはお前だけじゃない。最後まで同行を希望していたリヴァイでさえ、今は普段の仕事に戻っているんだぞ?」


エルヴィンが言うように、リヴァイは見送る直前まで同行を希望していた。

しかし少女に『今回はライキがいるから大丈夫!それにこれは、私達一族の問題だから…。夕飯までに帰るから待ってて!』と笑顔で断られてしまったのだ。

リヴァイはその言葉を渋々了承し、今は自分の執務室で仕事をしている。


心配してるのはハンジだけではない。
それはエルヴィンもリヴァイも同じなのだ。
いや3人だけではない…少女が出かけた事を知ってる者達が皆、心配しながら帰りを待っている。


「そうだよね…悪かった。分かったよ、仕事する。」

ハンジはソファから勢い良く飛び起き、自分の執務室に戻って行った。


(ハンジの気持ちは分かる…私も先ほどから、嫌な予感がして仕方ないからな。リン…頼むから、無事に帰って来てくれ。)


エルヴィンは出かける前に見せた、少女の笑顔を思い出し…窓から見える曇天を見つめながら心の中で呟いた。


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