鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第13章 : ◆◇ 心の拠り所〜側にいて欲しい〜 ◆◇
突然大きな音で、扉が勢い良く開く。
「おいクソメガネ、リンはどこだ!」
確か前にも全く同じ事があったなと、ハンジは壊れかけた扉から入る男を軽く睨む。
そしてその格好に目を見開いた。
眉間に深い皺を寄せたリヴァイが、マスクを着用したまま部屋に入って来たのだ。
「リヴァイ…もしかして、風邪?」
「あ"?てめぇの部屋が汚ねぇから、予め準備してただけだ!それより…あいつはどこだ?」
「リン?まだ寝てるでしょう。ライキくんが確か、夕方まで寝てるだろうって…」
「部屋にいねぇ。」
「えっ?!いないの?もう復活したのかな?もしかしたら…いつものお菓子買いに、街へ行ったんじゃない?」
「街か…確かにありえるな、行ってみる。それで?何か分かったのか?」
リヴァイの目線で、ペンダントの事を言ってると悟る。
「それが…今気付いたんだけどこの石、何か紋章が入ってるんだよね〜。もしかしたらこの紋章が、呪力に関係してるのかも。そうなるとやっぱりこのペンダントは、早々に壊した方がいいと思うんだけど…やっぱりリンに怒られるかな?」
「今壊したら…あいつが身体張って呪力消した意味が、ねぇだろうが!」
「そうだよね…。でもなるべく早く、手元から離した方がいいと思うんだよね〜。…これと似たような偽物、明日までに作れないかな?同じような色の石と、革紐があれば作れそうなんだけど。」
「だったら今すぐ作れ!」
「分かったよ、やってみる。じゃあ、ナナバかペトラ呼んで来てよ。アクセサリー系は、女の子が詳しいからね!」
「…仕方ねぇな。」
リヴァイはチッと舌打ちすると、部屋を出て行った。
(大体あいつ、何で1人で出かけた?)
「1人になりたかったのかもね…」
まるでリヴァイの心の声に答えるように、ハンジはひとりごちた。