鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第12章 :運命の再会〜終わりの始まり編❶〜
リンがふと自分の服を見ると、白い服に赤いシミが付いていた。
『えっ!血?!どうしよう…あの人に私、怪我させたかな?』
「あぁ、悪い…それは俺のだ。」
リヴァイは手を開いて見せると、利き手の平には血が滲んでいる。
先ほど強く拳を握り締め、爪が食い込んだ時の傷だ。
「その服は責任もって、後で俺が洗う。」
『服なんてどうでもいいよ!手見せて。』
「大した事ねぇ。こんな事でお前の力を使うな。」
『でも…この手じゃちゃんと、立体起動のグリップ握れないでしょ?治させて。』
真剣な少女の眼差しに、小さなため息を吐くと…リヴァイは素直に傷口を見せた。
「…分かった、任せる。」
『うん!』
少女はリヴァイの手を持ち上げ、傷口にキスを落とした。
「は?」
リヴァイは少女のその大胆な行動に、目を見開く。
唇を離すと、傷口は綺麗に消えている。
『ほら、治った!』
「お前、今一体何を…」
リヴァイが口を開いたと同時に、勢いよく部屋の扉が開いた。
「リン〜!!無事で良かったよ〜!」
開かれた扉から、ハンジが少女に飛びつく。
『うん、心配させてごめん。あのね…ハンジ、話があるの。リヴァイとエルヴィンにも。』
「私達もだよ。あの男はリヴァイに任せて…私達はエルヴィンの部屋で、先にお茶の準備をしよう!じゃあリヴァイ、後は頼んだよ〜!」
先ほどの兵士を部屋に押し入れ、2人は去って行った。
「クソメガネが…良いところでいつも、邪魔しやがって!」
リヴァイは舌打ちすると、兵士を睨みつけた。
「てめぇは躾のやり直しだ!」
(そしてさっきの謎の行動を、アイツに確認しねぇとな…)
リヴァイは少女の去った扉を見つめ、心の中で呟いた。