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鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】

第2章 :守護獣と心の傷


〜食堂〜


その場にいるだけで、目立ってしまう美少女のリン。
注目を避けていつのまにか食堂の隅が、彼女の特等席になっていた。
その特等席でいつものようにスープを食べていると、目の前にハンジが座った。

「リン、今日も色々教えてね〜!」

『あ〜はいはい。』

軽く遇らう。

調査兵団の兵舎に住む事になって数日…翌日からすぐハンジの尋問攻撃により、追い回される毎日。
既に兵舎内幹部メンバーには慣れて来た為、ハンジの扱いもお手のものだ。

「分隊長、いい加減仕事して下さい!…リン、毎日すまないな。」

モブリットがハンジの横に座り、溜息をつく。

『モブリットも大変だね…目元、隈が出来てる。あっそうだモブリット、口開けて!』

「口?」

モブリットが素直に口を開けると、コロリとしたお菓子が入り…口の中に甘さが広がる。

『疲れた時は甘いものだよ。』

リンはニコリと笑い、モブリットもフッと笑う。

「ありがとう。」

(可愛いくて、いい子だ…)

モブリットは頬を緩め、リンの頭を撫でる。

「え〜モブリットだけズルイよ!私もあ〜ん!!」

口を開けるハンジを無視し、2人顔を見合わせて笑い合ってると…食堂の入口から怒鳴り声が聞こえる。


「おい、リン!」

『来た、意地悪ドチビ!…これからミニマム男って、呼ぼうかな?』

リンは咄嗟に、モブリットの背中にしゃがんで隠れる。

(ミニマムは君の方だよ…)

モブリットは完全に自分の背に隠れた少女に苦笑し、心の中で呟く。

『何か用?』

モブリットの背から顔だけ出し、リヴァイを見つめる。

「てめぇ…あの部屋は何だ?菓子まみれじゃねぇか!何とかしろ!」

『はぁ?私の部屋に入ったの?』

「鍵がかかってなかったからな。」

『乙女の部屋に、勝手に入らないでよね〜変態!』

「誰が変態だ!変態はそこの女だけだ!」

ハンジを指差す。

「ちょっとリヴァイ、それは私に失礼だよ!」

「本当の事だろうが!とにかく…早急に何とかしろ!」

『何とか出来ない!あれは私のエネルギーの源なの。毎日摂取しないと、動けなくなるから絶対必要なの!!まぁ…お菓子自体も普通に好きだけど。』

「えっ、そうなの?」

(ただの異常な菓子好きかと思った…)

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