鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第1章 :絶望の地に、美少女舞い降りる
『ナナバはいい人だけど…もう信じられない。私は帰る!』
「帰りたきゃ帰れ。だが今聞いた事を公表する。」
リヴァイは扉から離れ、リンの横から歩み寄る。
『えっ?!』
「掟とやらで禁止されてた事を、意気揚々と巨人専門の調査兵団に語っていた…それがどういう事になるかは、俺達の知る所ではないがな。」
『脅迫するの?』
「さぁな…」
『ライキ〜!!』
[まぁ…あの方は鋭いから絶対バレないとは言えないが、今は此処で他言無用にすれば問題ないだろう]
『ん"〜〜〜分かった。指切り約束で、この兵団内の他言無用にするなら…話せる範囲で話す。それでいい?』
手元の刀を消し右手の小指を立て、真剣な眼差しで訴える。
「指切り…約束??」
『指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲〜ます!指切った』
リンはハンジの小指を取り、自分の小指で繋ぎ歌いながら腕を振る。
『破ったら、針千本飲ますからね!』
リンはギロリとリヴァイを睨みつける。
「あぁ…飲むのはハンジだけだがな。」
リヴァイはニヤリと笑い、リンを見つめる。
『意地悪チビ…』
「ほぉ…いい度胸だな。」
リンは横を向きボソリと小さな声で呟いたが、地獄耳のリヴァイの耳にはしっかり届き…少女の額を思い切りデコピンする。
『痛った〜い!!何するのよ、このドチビ!』
「何度も言わすな、クソガキ。テメェの方が確実にドチビだ!」
『背だけじゃなく、器も小っさいって言ってるの!!』
「フッ、負け惜しみか?」
ベーっと舌を出し叫ぶリンに、馬鹿にしたように鼻で笑うリヴァイ。
「フフフ…仲いいね、君たち。」
『「どこがよ(だ)!」』
ナナバが苦笑すると、2人同時に答えが返る。
「ほらっ…息ピッタリだ!」
そんなリヴァイとリンを見下ろし、エルヴィンは微笑む。
「お互いに色々聞きたい事はあるけど…改めてリン、調査兵団へようこそ!君を歓迎するよ。」
1章 fin.