鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第12章 :運命の再会〜終わりの始まり編❶〜
「ライキ殿…」
「ライキくんか〜ビックリしたよ!」
ライキは同時に声を上げた、エルヴィンとハンジを横目で見送り…ゆっくりとリヴァイに近付く。
「どうした?雷獣、また何か用か?」
〔リヴァイ…お前マスターと今日、街で誰と会った?〕
「あ"?」
〔誰かに会っただろう?嫌な臭いする…〕
殺気剥き出しの獣を不思議に思いつつ、渋々口を開く。
「リンの同郷の幼馴染だという、男に会った。」
〔男?名は?〕
「カナメだ。」
〔カナメ…だとぉォォォ!!!〕
突然、雷獣:ライキの殺気が膨らみ…部屋中に電撃が迸る。
〔あの男…まだリンを諦めていなかったか。やはりあの時、殺しておくべきだった!!〕
鋭い牙を剥き出しに、ライキは低い唸り声を上げる。
「えっ?えっ?どういう…」
「雷獣、どういう事だ?!」
殺気に震え動揺するハンジを押し退け、リヴァイは横から口を挟んだ。
「あの男は何者だ?!」
〔カナメはお前達に、この5年何をしていたと言った?〕
リヴァイの問いには答えず、更に質問を繰り返す。
「てめぇ…」
苛々しつつも、異常なライキの殺気に圧倒され…舌打ちをした後口を開いた。
「5年旅をしていたと。郷の証を失くし、帰れなかったと言っていた。」
〔旅…旅か、物は言いようだな。よくもそのような嘘が、ペラペラと口から出るものだ。〕
殺気はそのままで電撃だけ抑え、雷獣は鼻で笑った。
「嘘…?」
未だ殺気に震えながら、ハンジは辛うじて小さくそう呟く。
「おい、いい加減答えろ!あの男は何者だ?!あいつとどういう関係だ?」
苛立ちが頂点に達し、リヴァイは再度雷獣に問いかけた。
〔関係?関係など何もない。確かに同郷の幼馴染である事は間違いないが…5年前あの男は、郷から追放されたのだ!〕