鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第12章 :運命の再会〜終わりの始まり編❶〜
「リヴァイにハンジも、少し落ち着け。」
菓子を掬い続けるリンに、今度はエルヴィンが話しかける。
「リン…私も君が秘密にしてる事を、教えて欲しい。私達はただ、君が心配なだけだよ。君はもう私達の大事な仲間だし、私も妹みたいに思ってるんだ。」
エルヴィンは立ち上がり、少女の髪を優しく撫でた。
『……カナメは…同郷の幼馴染で多分初恋の人で、私の…両親公認の婚約者なの。』
「婚約者…だと?」
少女の衝撃的な言葉に、2人は唖然とする。
『話したから、もういいでしょ?私もう行くね!』
そう言い部屋を出て行った。
「ハンジ…お前は今の事、いつ聞いたんだ?」
エルヴィンの言葉に、リヴァイもギロリとハンジを睨む。
「さっきだよ、さっき!私も聞いてビックリしたし、2人に言いたかったんだよ?でも言ったら絶交するってリンが…」
リヴァイはチッと舌打ちし、長椅子に座り直す。
(親公認の婚約者だと…ふざけやがって!)
リヴァイは動揺を隠すように、紅茶を口に含む。
「リヴァイ…どうするの?」
「どうするって…何がだ?」
「だってこのままじゃリン、その人と…ッ?!なに?何〜?何か今…ブルッと来たよ?!」
「落ち着け、この気配は知ってる…雷獣だ。」
リヴァイがそう言うと同時に、何もない空間から白い獣が姿を現わした。