鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第12章 :運命の再会〜終わりの始まり編❶〜
「はぁぁぁぁ〜婚約者ぁぁぁ〜?!!!」
ハンジは立ち上がり、大声で狂ったように叫んだ。
「分隊長、落ち着いて下さい!」
『ハンジ…うるさい。』
少女は大きなため息を吐き、紅茶を一口飲んだ。
「だって…だってリンに婚約者がいたんだよ!しかも本人が知らないところで、親の公認とか…それはマズイだろ!!ね〜それリヴァイには言ったの?」
『…何でリヴァイが出て来るのよ?』
「だって一緒に出かけてたんでしょ?リヴァイも一緒の時、その幼馴染に会ったんじゃないの?」
『会ったけど…その事はまだ話してない。突然の事で私も混乱してたし。それに他にも言う事あるから…後でエルヴィンの部屋で、一緒に言うつもり。』
「他にも…何かあるの?」
『それは後でハンジにも話す。とにかく…今言った事、誰にも言わないで!…リヴァイにも。』
「何でリヴァイ?」
『それはッ…ハンジが名前出すから!とにかく…勝手に言ったら絶交だからね!!』
「あっ待って!」
立ち上がりカップを流しに置き、足早に部屋を出て行こうとした少女を…ハンジは急いで呼び止める。
「リン、結婚は一生の事だよ。たとえ亡くなったお父さんの願いであっても…ゆっくり考えて、ちゃんと自分で選択しなきゃダメだよ?」
『残念ながら、ゆっくり考える時間はないんだよね…』
「えっ?それってどういう…」
『大丈夫!ちゃんと考えるよ。』
少女は少し微笑むと、静かに部屋を出て行った。
「…モブリット、今のどう思う?何で【リヴァイに】婚約の事、知られたくないのかな?」
「それは…」
(自覚したのかもな…)
「リヴァイへの気持ち…少なからず、自覚してるって事だよね?」
「だと思います。」
「だよなぁ〜良い傾向だけど…今リヴァイに1番、言いたいのにぃぃ〜!!」
「絶交されますよ?」
「それも嫌だ〜!!」
再度ハンジの絶叫が、部屋の中に木霊したのだった。