鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第1章 :絶望の地に、美少女舞い降りる
「オイ…」
リヴァイが口を開きかけたが、エルヴィンはそのリヴァイに【待て】と手で制しリンに話しかける。
「先ほどのスープはとても美味しかった!何か調味料を使っていたようだけど…珍しい調味料なのかい?」
『別に…ただの塩胡椒と香辛料だけど。』
「塩胡椒や香辛料は高いよね?どうして君は持っているのかい?」
『憲兵団や駐屯兵団の厨房にもあるでしょ?普通だよ。』
「憲兵団や駐屯兵団の食堂に、行った事があるのかい?」
『友達と知り合いがいるから…』
「フッ、両団に友達と知り合いか…凄いな。ただ君の持っている調味料や香辛料を手に入れるのは、流通的にかなり難しい。君は一体どこでそれを入手したのかな?」
『別に普通にうちの郷に関係する、商人からだけど…流通は外じゃないの?』
「えっ?!外って…壁外?!」
またしても4人全員が、リンを凝視する。
『えっ?何か変な事言った?[掟破りだ][えっ?嘘!掟破りって何?お…怒られる?][あぁ、間違いなく]どうしよう…お母さんに怒られる〜!!』
リンは突然頭を抱え、大声で叫び出す。
誰かと話してるようだが、側には誰もいない。
「ねぇリン…さっきから、誰と喋ってるの?」
『誰とって…』
「今の話…詳しく聞かせて欲しい!」
ハンジとエルヴィンにジリジリ追い詰められ、リンはお皿を置き後退する。
いつのまにかリヴァイもソファーから立ち上がり、扉の前で腕を組み逃げ道を塞いでいる。
『ッ…私を閉じ込めようとしても無駄よ!ライキ!』
リンが右手を身体の前に出し叫ぶと、手の中に1本の長刀が現れる。
『東洋人だからって、舐めないでよね!自分を守る術くらい…ちゃんと持ってるんだから!』
雷を帯びた長刀の切っ先を、エルヴィン達に向ける。
「刀?!待って待って、今身体から刀出たよね?!」
〔逃げるか?〕
『逃げる!!』
「刀が喋ったぁぁぁ〜!!!」
ハンジは異常に興奮していて、叫び続けている。
「ハンジ…落ち着け。」
「待ってリン!君を捕まえようなんて思ってない!ただ話を聞かせて欲しいだけなんだ!」
ナナバがパニック状態のハンジを押し退け、前に躍り出た。