鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第11章 :番外編 夜会❶〜彼女のパートナーは誰?〜
「ねぇリン、夜会のパートナーを探しに行くって言ってたらしいけど…もう見つけたの?」
『まだ見つけてないよ〜でもドレスだけ見て来た!』
「ドレス〜私も一緒に見たかった!」
悔しそうに拳を握る。
『うん!私も一緒に見て欲しかったから…形だけ決めて、色はハンジにも見て貰おうと思って。だから早く書類終わらせてね!私も手伝うから。』
「うん、頑張るよ!壁外調査の書類は終わったから、リンには巨人の研究を手伝って欲しいな。」
『いいよ。私も一緒に捕まえたしね!』
2人は笑いながら、顔を見合わせた。
「おいリン!パートナーは俺にしておけ。どうせお前は夜会でも、菓子を食いまくるんだろ?俺と一緒なら周りに気を使わず、好きなだけ食べれる。それにお前が隣にいると…俺も女避けになって助かる。」
(全く…リヴァイは本当に、素直じゃないんだから。)
ハンジは呆れ顔で、チラリとリヴァイを見る。
『それいいね!ダンスを知らない人と踊るのは嫌だし…美味しい物を気兼ねなく食べれるのは、私も助かる!では…』
リンは白いスカートをつまみ上げ、右手を出すと笑顔で見上げた。
『リヴァイ兵士長、私のパートナーになってくれますか?』
「あぁ、いいだろう。」
口の端を上げその手を取ると、腰を引き寄せた。
『そうだ!みんなにお土産買って来たんだよ〜。あとで一緒に食べようね!』
「…悪くねぇ。だったらその時…お前が今日1日誰と何処で何をしてたのか、全て詳しく聞かせろ!」
『いいよ〜!めちゃくちゃ楽しかったんだ!あのね〜まず…』
リヴァイはリンと手を繋ぎ…その反対側からハンジも手を繋ぐと、3人で兵舎内に戻って行ったのだった。
11章 fin.
※夜会❷は、P192〜掲載
⌘ オマケ ⌘
「おいリン、夜会でエルヴィンとも踊ってやれ!泣いて喜ぶ。」
『そうなの?じゃあエルヴィンのパートナーになった方がいい?』
「あいつは忙しい。それにお前も、知らない奴に紹介されまくって…無駄に注目浴びるのは面倒だろ?食べる暇なくなるぞ!」
『それはイヤ!』
(今更パートナーを、誰かに譲るわけねぇだろうが!こいつは一体…いつになったら気付く?)
リヴァイは大きな溜息をついた。
オマケ fin.