鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第11章 :番外編 夜会❶〜彼女のパートナーは誰?〜
エルヴィンは執務室内にいる3人の顔を見回し、椅子に深く座り直す。
「確かにそうだな。欲しい情報は手に入った。流石にリンも夕飯までには、帰って来るだろう。お前たちもそろそろ、本来の仕事に戻れ。」
「了解だ。」
リヴァイは腕を解くとエルヴィンの言葉に従い、自分の執務室に戻って行った。
ナナバもすぐ退室する。
「ハンジ、お前も戻れ。」
「…分かったよ。」
「書類が全て終わったら、門で帰りを待つといい。」
渋々戻るハンジの背中に声をかけると、ハンジは笑顔で振り向き親指を立てた。
「勿論、そのつもりだよ!」
(リヴァイには負けないからね!)
恐らく同じように、門で帰りを待つつもりであろうリヴァイの顔を思い浮かべ…ハンジは拳を握り退室した。
[主(マスター)…調査兵団の者が、貴女を探しているようです。]
『えっ?何で?』
ジャンの家に共に行き…街へ戻ったリンに、守護獣:ライキが話しかける。
「リンさん、何か言いました?」
『ん?ん〜何でもない。それより早く、エレン達の所へ戻ろう!はい、もう1回繋いで…目を閉じる!』
手を差し出すと、ジャンは頰を赤らめた。
「あの…これどうしても、手を繋がないとダメなんですか?」
『嫌なの?私と手を繋ぐの…』
「ちっ、違います…けど。…例えば肩とか、ダメですかね?」
『手が無難だと思うよ…死にたくなければ。』
「了解です!!」
(よく考えたら…肩の方が触れねぇ。何だ?あの小さな肩は!)
ジャンは素直に少女の小さな手を握った。
(何で探してるのか分からないけど、早めに帰ろう!)
リンはジャンとしっかり手を繋ぐと、その場から一瞬で消えた。