鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第11章 :番外編 夜会❶〜彼女のパートナーは誰?〜
〈 エルヴィン執務室 〉
§ 任務報告〜リヴァイ&ハンジ〜 §
「退け、クソメガネ!」
「リヴァイこそ、邪魔だよ!」
扉の前で何やら揉めてる声が聞こえ、エルヴィンは溜息をつく。
(どっちから入っても、そんなに大差はないが…)
「「エルヴィン!!」」
唐突に扉は開かれ、ハンジとリヴァイがなだれ込む。
(やはり…ノックをする気はないらしいな。)
「報告がある。」
「凄い情報を手に入れたよ!」
エルヴィンは只ならぬオーラを発するリヴァイと、興奮するハンジを交互に見て…口を開いた。
「分かった。ではまずリヴァイから聞こう!」
「え〜何でさ!私から聞いてよ!」
「ハンジまず、呼吸を整えろ。リヴァイ、頼む。」
「了解だ。俺が部下から得た情報は2つだ。まず…今回の夜会にリンを参加するよう求めたのは、ピクシスだ。あの禿げジジイ…血縁関係もねぇくせに、アイツを自分の孫として見せびらかせるつもりらしい!」
「あぁ、それに関しては私も、別から報告は聞いている。巨人捕獲の手伝いをした礼だと言われれば、拒否する事は出来ないだろう?私たちは。」
「あぁ、誰かのせいでな!」
リヴァイはハンジを鋭い眼光で睨んだ。
「あともう1つ。訓練兵団に向かった部下が…リンは訓練兵の男と、街へ出かけたという情報を聞いた。」
(…なるほど。だからリヴァイは機嫌が悪いのか。)
「ハイハイハ〜イ!それに関して、補足があるよ!」
ハンジは右手を前に突き出し、横から割り込んだ。
「そうか…ならば次はハンジだ。」
「うん!リンはその後、その長身の男とカフェに行ったらしいよ。ナナバが街で見たって言ってた!」
「カフェに?顔は見たのか?」
「えっ…?や〜どうだろう?そこまでは聞いてないな。」
「てめぇ…肝心な事聞いてねぇじゃねぇか!」
リヴァイの回し蹴りを素早く避け、ハンジは数歩後退る。
「ちょっと、こんな所で何するのさ〜危ないだろ?」
「てめぇが避けなきゃ、誰も危なくねぇよ!」
執務室で攻防を繰り広げる2人に、エルヴィンは呆れたように声をかけた。
「お前たち、いい加減に…」
その時…
コンコン
タイミングを見計らったように、扉がノックされた。