鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第11章 :番外編 夜会❶〜彼女のパートナーは誰?〜
〈 調査兵団〜ハンジ&ナナバside〜 〉
コンコン
「入るよ!ハンジ、昼食もまだなんだって?書類が大変なのは分かるけど、朝昼抜きじゃ頭も働かないよ?街でパンを買って来たから、まずはこれ食べなよ。はい、これモブリットの分。」
そう言ってナナバは紙袋を、それぞれの机に置く。
「ありがとうございます!分隊長、せっかくですから頂きましょう!」
「うん…」
ハンジは生返事をしつつ、書類から目を離さない。
「何時に無くに書類に真剣だけど、何かあったのかい?」
ナナバは3人分のお茶を入れるモブリットに、問いかけた。
「えぇ、色々ありまして…。こちらどうぞ。」
モブリットはナナバの前に、お茶を置きながら苦笑する。
「昼食は有り難く受け取る。ただこれが終わったら食べるよ!」
「…分かったよ。でも無理はしないで。」
ナナバはお茶を啜りながら、窓ぎわへと移動した。
「今日は良い天気だね〜。こんな天気なら、外に出かけたくなるよね!さっきも街で、リンを見かけたんだけど…」
「えっ?!リンを見た?!」
突然ハンジが顔を上げ、目を見開きナナバを凝視した。
「え…うん、見た…けど。」
「いつ?どこで?誰と?」
ハンジが勢い良く迫る。
そしてナナバの肩をガシッと掴み、真剣な表情で見つめる。
「えっと…さっきカフェで、男の子と一緒にいるのを見たよ。」
「「 男?!」」
ハンジとモブリットの声が被る。
「男ってどんな?兵士?特徴は?」
「ん〜私服だったから、兵士か一般人かは分からないな。でも座っててもリンとかなり身長差があったから、背はかなり高いんじゃないかな?」
「ナナバ、素晴らしい情報ありがとう!!エルヴィ〜ン!!」
ハンジは目をギラギラさせ、最後にナナバの肩をバシッと叩くと…勢い良く執務室を出て行った。
「何が何だか、全く分からないんだけど…。ただリンはもう、あのカフェにいないと思うよ。」
「そうなんですか?」
話を聞かずに飛び出して行ったハンジの代わりに、ナナバから詳しい話を聞くモブリットだった。