• テキストサイズ

キメツ学園【鬼滅の刃】

第8章 不可思議


「カナエが死んだ。」


柱合会議でお館様がおっしゃった。


「上弦の弐だ。」


私は、素直に悲しかった。悲しかったのに、表情は笑顔のままだった。

柱の中で泣き出す人はいない。


でも笑っているのは私だけだった。


涙はでないけど、笑顔のままだけど、それ以外の表情は何もできなかった。


「」


お館様が名前を呼ぶ。私はビクッとした。顔が上がらない。顔を上げれば笑っているのがバレてしまう。


「悲しいね。わかっているよ。顔を上げてほしい。」


私は顔を上げた。こんなときまで笑っている私に他の柱達は不審な目を向けた。


「皆、どうか笑っておくれ。カナエは優しい子だった。のこともわかっているよ。」


変な汗ばかり出た。
悲しい。

悲しい悲しい悲しい。


私はふらりと立ち上がった。


「……」

「…失礼…します……」


私は歩きだした。

唯一の同性の柱。最後の会話がありありと思い浮かぶ。今すぐにでも蝶々のようにここに舞い降りてきそう。


「おい!」


不死川くんの声。
私は思わず立ち止まった。


「お館様の声が聞こえねえのかぁ!ヘラヘラしてねぇでさっさと戻れ!!」

「……」

「あんたそれでも柱かよッ!!!」


変な汗が止まらない。
どうしたらいいのだ。どうしたら。


「柱ですよッ!!!」


私は思わず口走っていた。ギュッと手を握りしめた。


「…私……柱です…」


自分が何を言っているのかよくわからなかった。
何がしたいんだ、私は。


「………」

「…申し訳ありません、お館様。」

「いいよ。今日はもう下がって。」

「ッ、お館様!」

「いいんだ、天元」


私は歩きだした。そして、そこを去った。























































「柱だなんて名ばかりに、私は仲間の死をただ傍聴している自分に腹が立った。」
/ 457ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp