第7章 自覚
アイスクリーム屋、アクセサリーショップ。
色々探ったがどこにもいない。
「だめですね、お手上げです。」
「ッ!!そん「最初に言ったはずですよ。」……。」
「文句は聞きません。」
私がバス停に向かう。宇随くんもトボトボついてくる。
その時、見慣れぬ制服を着た男子高校生とすれ違った。
「………」
耳にピアス。色素の薄い髪。じゃらじゃらとストラップやらチェーンやらがポケットからはみだしていた。
「どうしたんすか?バスきますよ。」
「………宇随くん、気配を消してください。」
私はじっと男子高校生をにらんだ。
「当たりです」
男子高校生についていくと、彼らは不自然なほど人の少ない場所にきていた。
さっきまで練り歩いた明るい場所とは違った。
「……いかにも、ですね。」
人が通れる、薄暗いトンネル。
山奥とかにあるわけでもなく、時間帯なら誰かが犬の散歩でもするだろう。
街中にあるトンネル。上に通っている道路の車はまだまだ途絶えそうにない。
「ここにいるんですか」
「宇随くんの胸騒ぎ、案外嘘ではないみたいですね。」
私はスタスタそっちに歩いた。
「ちょっ、何やって」
「行かないんですか?」
「…ッ、行くに決まってるだろうが…!」
宇随くんが私の少し前を歩きだした。
トンネルの中は落書きだらけ。ライトが少し不気味さを演出している。
「…あ?誰だ?」
中にいた、所謂ヤンキーがイラついたように答える。まぁ存在は気づいていましたが。
隣で宇随くんが啖呵を切ろうとするので、先に私が口を開いた。
「すみません、私たち向こうに行きたいので退いてもらえませんか?邪魔です。」
……と、穏便にすませようとしたのに。
なぜか目の前の男子高校生は荒々しく立ち上がった。