第6章 花開く
目を覚ました。
……そっか。これも思い出していなかったのか。
嫌われていたけれど、彼女は私に優しくしてくれた。
彼女は罪を憎み私を許した。
「、遅刻するわよ。起きていらっしゃい。」
「あ、はーい」
おばあちゃんがフレンチトーストを焼いてくれた。美味しい。
「、何か欲しいものとかないか?」
「ないよ。」
「……そ、そうかぁ」
おじいちゃんが毎朝聞いてくるこの質問。
私はいつも同じことを返す。何で聞いてくるのかなぁ。
「、運動会にクラス代表でリレーに出るんでしょう?」
「え、言ったっけ?」
「んもう、お隣の不死川さんに教わったのよ。あなた何も言わないんだから。」
「あー……ごめん。父さんと母さん、言っても覚えないから途中から言わなくなっちゃって。ちゃんと言うよ。ごめんなさい。」
私はフレンチトーストを食べ終わった。
二人の顔の変化にも気づかず。