第6章 花開く
ロングホームルームの時間に体育祭の出し物を決める。
体育委員は冨岡くんと……。
何と私です。
余り物じゃんけんで二人とも惨敗し押し付けられました。
大玉転がし、綱引き、徒競走、玉入れ、大縄飛び…
王道の種目が多い。出たい種目に皆投票してもらい、それぞれの参加種目を決めていく。
誰一人としてやりたがらなかったのは、色別対抗リレーだ。
本番は赤組、白組、青組、黄組の四色に分けられる。私たち銀杏組はは白組だ。1、2、3年生のクラスから男女問わず三人選抜でリレー選手を出さなければならない。
クラスの代表ともあって皆避けるに避けていた。
「足の速い人三人でいーんじゃないですか?」
一番後ろのお調子者の男子が手をあげて言った。黙れ。こんな時にだけ発言するのはやめろ。
「……誰が速いんだ」
やめろ聞いてくるな冨岡くん。
「それは私も知らないかな」
「あー、俺やるわ。」
突然挙手する者が。救世主!?とそちらを見たが違った。実弥だ。
……お前じゃ意味がない。というか挙手しなくてもお前は確定だ…!!!!!
「じゃあ不死川で。他は?」
「冨岡~、きまんねぇって。足速い奴にしようぜ。」
「それが誰かわからんから聞いてるんだ。」
初めて冨岡くんを応援したくなった。いいぞもっとやれ。
「50メートルのタイムならここにありますよ」
すると担任が紙を渡してきた。
「こうなるんじゃないかと思ったんです」
ふざけんなああああああああ!!!!!
冨岡くんがじっと見る。
「タイムなら俺と……」
私はその先が読めた。
「霧雨か伊黒だな」