第60章 後書き
氷雨春風(ひさめはるかぜ)
元光柱
故56
鬼殺隊で柱のまとめ役もしていました。未来や他人の行動を言い当てたりします。不気味なほどに。
彼は捨て子でした。孤児として生きていたときふらりと盗みに立ち入ったのが天晴の育手の家でした。
一応訓練は積みましたが隙を見て逃げ出しました。そのとき、今度は心優しい氷雨家に拾われ養子となりました。しかし、何となく天晴のことが気になり、とある夜に屋敷を抜け出し、天晴の元へ向かいました。最終選別に行ったと知り、彼もそれに参加して鬼殺隊となりました。
氷雨家に怪しまれないよう任務をこなしました。そのせいか実力はあれど出世しませんでした。そして霧雨と出会いますが、彼女はイマイチ覚えていません。
彼は優しい性格ゆえ鬼に対する気持ちもそれはおぞましい憎しみがあり、真摯に向き合っていました。
春風はそうしているうちに、結婚しましたが、妻は鬼に殺されてしまいます。その日から、彼は少し変わりました。
氷雨家を抜け出し、鬼を斬ることだけに専念するようにしました。柱でありながら、身近な存在である妻を上弦でもない鬼に殺されたことはとてつもない怒りと悲しみを彼に植え付けました。
作中、幼い天晴と春風の話、そして霧雨と妻が殺されてからの春風の話がちょろっとありますが、ぜひ読んでみてください。それなりに違います。多分。自分のことより他人優先になっています。多分。
柱としてはいわゆるバランスタイプで、特に秀でたものはありませんでしたが、できないことはありませんでした。
彼に重傷を負わせたのは上弦の陸で、堕姫に足を食われました。堕姫が遊女を囮にしたので、優しさが悪い方向へと向いたようです。彼は自分そっちのけで他人優先でした。
死因は薬による時間切れでしたが、そうなる前に自殺しました。桜の努力の結晶である薬を死因にしないためです。
令和時代では、車椅子少年、そして意味深さに拍車がかかりました。優しいだけでなく、他人に怒ったりできるようになりました。少しは自分のことも優先するようです。でも、紅茶だけは絶対には他人のものから淹れます。自分のものは最後。
一人で大きな家に住んでいるのは、氷雨家はみんな忙しくて仕事中だからです。祝日には帰ってきています。
ゆるりふんわり、な性格ですが、それが逆に怖いと思われてしまい、特に桜は彼にビビってました。