第5章 夢見る
私は家に帰らず宇随くんと公園で話し込んだ。久しぶりにブランコに座ったなぁ。
「小学校六年生の時、死の間際の夢を見て全て思い出したんです。まさか、年齢操作で不死川くんの幼なじみになるなんて誰が想像できました?あと、宇随くんが私より年上ということも驚きです。」
「前世での顔見知りってけっこーいるっすよね。霧雨さんだろ…不死川もだし、何よりお館様。あとこの前胡蝶カナエともすれ違ったわ。」
宇随くんはブランコに揺られながら言った。
「冨岡くんもいますよ」
「まじっすか」
宇随くんは薄ら笑いを浮かべた。…?冨岡くんって好かれてないんですかね。私自信が嫌われていたからよくわかっていなかった…。
「あと伊黒もびっくりっすよ。」
「私、伊黒くん知らないんですよ。」
「へ?何でっすか?」
「……え?」
宇随くんがブランコを止めた。
「……わからないんすか?…あれ、いた気が……んん?」
彼が首をかしげる。
「ダメだ、曖昧っすわ。」
「……そう」
「気になったりします?死後の鬼殺隊とか。」
宇随くんが言う。私は首を横に振った。
「知りたくないんです。死んだ後のこと。死の間際…私は援軍として来てくれた誰かに伝えたんです。『私の鬼殺の魂は後世に託す』と。
死後を追及するのは、過去の私への冒涜です。」
私はブランコを揺らすことなく言った。
「……そう…ですか。」
宇随くんはため息をついた。
「やっぱ、俺ら合わないっすね」
「そうですね。ですが宇随くんらしくていいと思います。」
「そーゆーとこ変わってないんすね…あぁそうだ、ところで…その誰かって誰なんですか?」
「え?あー、多分それは…」
私が言おうとしたとき、宇随くんが公園の外に目を向けた。