• テキストサイズ

キメツ学園【鬼滅の刃】

第51章 もっと言葉を教えて


「私のこと、どう思ってるのかなって…」


言うと同時にホッとした。ずっと悩んでいたことが案外すらすらと言えた。

あぁ、でも突然だったかな。困ってるかな。


「…そりゃどういう意味だァ」


実弥が真顔で言う。
さっきまで少し怒ったみたいだったけど、落ち着いたらしい。


「お前は俺に何て言って欲しいんだ」


ふんわりと風が吹いた。


ほんの一瞬だけ、前世の…不死川くんの姿が見えた。



私もまるで前世に戻った気分だった。

あの頃、不死川くんがずいぶんと小さく見えました。私より体は大きかったけれど、まだまだ若い子でした。


何でそんな気分になったのだろうか。わからないけれど、思い出した、


隣に立って、彼が怒りながらも…どこかで私を尊敬してくれていて。私が新たな彼が巻き起こす風に戸惑いながらも、不死川くんに接する。

そんな関係が……。



もう、戻ってこないような……。























「本心が知りたい。実弥の本心が。どんな答えも私は期待しない。」


























「わかった。」


実弥が答えた。


「…つっても、俺が帰らねえと母ちゃん困るんだ。いったん帰るわ。」

「あ、うん。そうだね。」

「お前もいったん帰れ。そんでもう一回出てこい。俺と一緒だって言えば家の人も安心すんだろ。」


ぶっきらぼうながらも優しい。


その隣を歩きながら、私はまた、懐かしい前世を思い出した。
/ 457ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp