第5章 夢見る
「そうですね。」
宇随くんとの初めての合同任務だ。
柱になったばかりだけどなかなか筋のいい子。
「君のやり方は素晴らしいです。私にはできないやり方です。」
「向こうの奴に下の奴らは苦戦してる。向こうに行くべきだ。」
「あちらの鬼は誰も見つけていません。ですが放っておけば見失う。二人いるのですから、そうしましょう。宇随くんは行くべきと思うところへ行ってください。」
私は言い終わると同時に走った。
宇随くんも動くのがわかった。
(……ざっと三体ですか)
私の向かう方にはそれだけいた。
「霞の呼吸、弐ノ型、八重霞」
私の接近に気づいていなかった鬼の顔がひきつる。
「三連」
それで終わった。
さぁ、宇随くんのところです。
私が走って行くと、彼はぎょっとしていた。下の隊士達を守るのに必死で責められていないようです。
私は飛び出した。
「その人達、お願いしますね。宇随くん。」
すれ違い様に言った。
なかなかデカイ鬼ですね…。
「フン!!女なんかにこの俺が斬れるかあ!!」
体が無駄にぼこぼこしてる。皮膚?じゃないですね。カチカチの岩みたいです。
「垂天遠霞」
技を繰り出す。お腹に穴が開いた。
あら、見かけ倒しですか。
「八重霞」
これで終わりです。
頚が落ちた。
宇随くんを振り返る。
「順序をつけるのは懸命です。私はその判断ができません。全てをやりきりたいと思う馬鹿な人間です。」
私は嫌われていた。
でも宇随くんはまともに話してくれた数少ない人でした。
「君みたいにはできません。」