第39章 家族
「お前の母さんの、姉の子供でな。母さんは家を飛び出して嫁いだようなもん…なんだ。だから、縁は切れてる。」
次次と衝撃的なカミングアウトがされる中、私は前世のことを考えていた。
(家を飛び出した?あの人が??)
「えーっと、その、いとこって言うのは、一人だけなの?」
「…まるで全部知っているみたいに言うんだな」
ビクッとして冷や汗が一気に吹き出した。またやっちゃったーーーーー!!!!!どうして私はこんなにバカなの!?何なの!?
「そ、そりゃ、私だって考えるよ…。家族って、よくわかんないけど…。あははははは〜。」
適当に言い訳をする。が、おじいちゃんは何だかしんみりとしてしまった。
「すまんなあ…本当に…どうか、許してくれなあ……。」
「ええ、何で泣くの、おじいちゃん??」
ポロポロと涙を流すおじいちゃんは、それ以上家族のことについては話してくれなかった。
けれど、一枚の古い葉書を渡してくれた。
「おじいちゃん達もよう知らん。…母さんが何で家と仲違いしたのかもなあ。」
一緒に暮らしているのは父方の祖父母だし、思えば、母方の親戚とは一切交流がない。
「絶縁したって話だから、会ったこともないが…一度だけ、葉書をくれた。手懸かりはそれだけだ。もし、会いに行くんだったら行きなさい。けれど、おばあちゃんはこのことを知らないから、決して言わないように。」
そうして、葉書だけを置いておじいちゃんは部屋から出ていった。