第39章 家族
おばあちゃんとおじいちゃんが帰ってきてから、直接聞いて見た。
「私っていとこいる?」
「ええ!?」
あばあちゃんがビックリして、そこで気づいた。
まずい。また考えなしに突っ走ってしまった。
「どうしたんだ、急に」
「ええっと…。お、思えば、いとことか、親戚の話とか、あんまし聞いたことないなあって、あ、あははは〜。」
私は不気味に笑って、玄関から逃げるように自分の部屋に戻った。
ヤバかった。
何でこんな簡単なことに気づかないの私。きっと怪しんでくるってわからなかったの。
「」
「ひゃい!!」
突然ドアの向こうから声をかけられて、おかしな返事をしてしまった。おじいちゃんだ。
「ちょっと、入ってもいいかい。」
「え、あ、うっ、うん!!」
私は慌てて箱やらトンカチやらをしまった。
ラピスラズリを大切に引き出しに片付けたところでおじいちゃんが入ってきた。
「そこに座りなさい。」
言われた通り、床に正座した。
「おじいちゃんもおばあちゃんもな、家族については…お前に色々隠してたんだ。」
「え?」
「いとこに、会いたいんだろう。」
「会いたい…けど。隠してたって、何で?」
突然のことにおじいちゃんは顔をしかめた。
言いたくないのだろうか。
「それは…辛い話なんだ。おじいちゃん達はお前を傷つけたくはない。」
その優しい言葉に、戸惑ったが…。私の決意は揺るがない。
「私、もう大丈夫。」
「…。」
「お願い。私、何か…大切なことを、どこかに置き去りにしている気がするの。」
そう懇願すると、おじいちゃんは覚悟を決めたように頷いてくれた。
「さっきの質問の答えを言うとな、お前のいとこはいる。」
そして、こう続けた。
「お前とそのいとこは、縁が切れてる。」