第35章 謎解き
家でそんな大それたことはできないし、見られたら通報されそうだったので場所を移動した。
「まさか、ここに来るとは…」
人のあまりいないところというと、この幽霊トンネルしかなかった。
立ち入り禁止のテープがはられているのを無視して、中に入った。バレたら本当にまずい。
「私はここに入って三日間行方不明になったんだけど、大丈夫なの?」
「なったとしても三人一緒だ!!」
「あの事件から、そういった物騒なことは起きてねえらしいぜ。」
「…それで、こんなにものがあるの?」
トンネルの中には空かんやお菓子のゴミなどで溢れ返っていた。
「怖えのは人間かもな。たむろしてる奴らに鉢合わせる前にやっちまおう。」
私達は家からマッチと水の入ったバケツとあの白い箱を持ってきていた。
重い水の入ったバケツを、何にも言わずに実弥が持ってくれたので…。そういうところだぞ、お前ってなった。
「落ち葉もたくさん拾ったし、よく燃えそうだな!」
「中の物が燃えちゃわないよう、水は頼んだよ!不死川くん!!点火〜!!」
私は落ち葉にマッチを落とした。
「箱投入!」
そして、煉獄くんが日の中に箱を入れた。
が…。
「…燃えてないね……」
「…全然だめだな」
「何でだよ!!防火素材とか使ってんのか!?」
このままだと火事になってしまうので、実弥が水で消化してその作戦は終わった。
「焦げ跡一つないな!?いったいどうなっているのだ!!」
「水に濡れても全然へっちゃらなんですけど!?」
白い箱は何のかわりもなくそこにあった。
私達はため息をつき、そのままトンネルをあとにした。
「結局、叩いた時の傷がほんの少しついただけか…。燃えもしないし水でへたりもしないってどうなってるの…!?」
「叩いて傷がついたなら物理の衝撃には弱いのかもしれんな?」
「でも、あんなにバンバン叩いても……」
カナヅチで全力でぶっ叩いていた実弥を思い出した。
「…開かな…」
『ちょっと呼吸使っちまった!!』
実弥のその言葉を思い出した。
私は何か、大切なことを忘れているんじゃ……。