第34章 進展
「私は占いをしているんだけど…。」
「あら」
天晴先輩が声をあげた。
「思い出したわ。よくあたるって有名の凄腕占い師!」
「知ってくれているなら話は早い。実はね、占いで来客…つまり、この子に会いに来る誰かの存在は知っていたの。だから声をかけた。」
「「何そのファンタジー」」
私と冨岡くんがハモった
「あんた達が言わないでちょうだい」
なぜか先輩ににらまれた。本当に何でだ。
「実はね、昨日あんた達より前に一人訪ねてくれた子がいるのよ。その子と同じ理由かしら?前世で…優鈴と知りあいだったとか、それこそファンタジーな話をしてくれたけどね。」
「ええ!?」
私は驚いて皆を振り返った。もちろん、この中の誰でもない。
「最初は頭のおかしい子かと思った。けれど、優鈴のことをおかしいくらいに知り尽くしていた。」
「…その人って。」
「名前は知らない。まさかこんなことになるなんて思ってなかったから。」
聞く前にピシャリとそう言われ、何も言えなくなってしまった。
「ああ、そうそう。あなた達の中にキリサメって子はいる?」
「え、あ、はい!私ですけど!!」
「その子から、キリサメって子が訪ねてきたらこれ渡せって言われていたの。」
「…?」
受けとると、怪しすぎる真っ白な箱だった。
「ファンタジーの次はミステリー…??」
「おい、なんか入ってんのか?」
振るとカラカラと音がした。
「でも…これ、どうやって開けるの?」
蓋も何もなかった。本当に、ただの立方体の真っ白な箱だった。
「貸せ」
実実が奪うように取ったかと思うと、思いっきり箱を殴った。
「えええええええええ!?」
「チッ、かてえ。」
「ば、ばか!!壊れたらどうするの?」
「壊して開けりゃあいいだろうが」
「物騒!!」
私は実弥から箱を取り返して、ひっしと胸に抱き抱えた。
「伝言もあるよ。『お久しぶりですね』って。」
「えっ」
ゾワワ、と背筋に冷たいものがはっていく。
「捨てちまえよ、そんなもん」
「そ、そうしようかな…でも、ちょっと保留!」
私は実弥が奪いとる前に鞄につっこんだ。
一応、前世の知り合いかもしれないんだし。