第33章 前世の記憶ー神風鬼殺隊ー
次の日には緊急で柱合会議が開かれた。
「チッやっと来やがったのかァ」
不死川くんが悪態をつきました。行冥が注意しようとするのを止めました。
「しょうがないわ。顔を出していなかったんだもの。」
「…それはお前、木谷殿の…。はあ、なぜそう言葉が足りないのだ。話せば分かり合えるというのに。」
「いいの。」
私はふふ、と微笑んだ。
お館様が姿を現し、全員が頭を下げた。
「皆、揃っているね。」
「ええ。揃っておりますお館様。この度はお呼びいただき感謝いたします。」
いつもは誰かが挨拶を競争で告げる。その競争に参加したことは、一度もなかったのですが、今回は初めて私が挨拶を言いました。皆が驚いているのがわかりました。
「やはり、がいる会議が一番だね。よい挨拶だ。」
「とんでもございませんわ。」
私がいうと、お館様は頷いた。
「さて、急に呼んでしまって申し訳なかったね。実は昨日、から相談を受けたんだ。そのことについて皆の意見が欲しくてね。」
「相談?」
宇髄くんがちらりと私を見やる。
「これからの鬼殺隊のことを考えたそうだ。」
私は一気にたくさんの視線を浴びた。
「それで、どのような内容なのですか。」
「これはから告げた方がいいね。前に出てかまわないから、そうしてくれるかな。」
「はい。」
私は立ち上がり前に出て、皆の方を向いた。
「私は、隊歴も長く、ここまで生き残ってきた実力から鬼殺隊に君臨する柱の頂点として、恐れ多くも隊を仕切ってきました。」
私はニッコリと笑った。
「その勤めを、あなた方の誰かに引き継いで欲しいのです。」
しばらくの沈黙の後、行冥が口を開いた。
「どういうことだ」
それは、他の柱の心持ちを代弁したかのようだった。