第33章 前世の記憶ー神風鬼殺隊ー
私は優鈴の死から一週間後にお館様を訪ねました。
「体調はどうだい?」
「はい、問題ありません。」
「…ちゃんと食べているのかい?痩せたように見えるけれど。」
「……それは、元からですわ。」
私は体質の問題なのか、食べても太ることはできなかった。肉がなければ筋肉がつかない。強くなれないのに。
ああ、今は関係ないですね。
「それで、何用でしょうか。」
「優鈴のことだよ。」
お館様ははっきりと言った。
「すまない、あの子の苦しみをわかってやれなかった。私のせいでもあるよ。」
「謝罪なんてほしくありません。誰が悪いとか、きっとないのです。それに…。」
私は最後の彼を思い出した。
「優鈴は、笑っていました。お館様が大好きだったんですもの。そんなご様子では悲しんでしまいます。」
「…。」
「私は、もう大丈夫です。」
お館様と話すと心が落ち着く。
なぜか安心できました。
「…と、急なんですが少しご相談があるのです。」
「…何だい?」
お館様が微笑む。
前をむき出した私に対する微笑みのようにも見えたし、優鈴に対する慈愛の微笑みにも見えた。
「世代交代です。」
私の発言に、お館様はじっと耳を傾けてくださった。
その日、私は長く話し込んだ。