• テキストサイズ

キメツ学園【鬼滅の刃】

第25章 苦手人


開いた口が塞がらない。


そんな感じだった。


「………」

「………」


私達は何かを悟り合い、黙って頷いた。


「おら書けたぞ」

「いっぺん死になさい」


最後にその人は宇随先輩を一発ひっぱたいてから去っていった。
私はその間にその人の気配を覚えた。


「かーっ、だりぃ」

「…書類はちゃんとした方がいいですよ。」


私はそう先輩に言った。そして、様子のおかしい伊黒くんに声をかけた。


「大丈夫?何か…苦しそうだけど」

「いや、俺は、別に」


ヒュ、と嫌な音が伊黒くんの喉がなった。


「伊黒くん…?だ、大丈夫!?」 

「だい、じょ、」


ヒュー、ヒュー、と音が止まらない。さすがに宇随先輩も気づいた。


「おい!伊黒!?」


過呼吸。

症状を見て頭にその病名が浮かんだ。


「おい!珠世先生呼んでこいッ!!!」

「は、はい!!」


私は美術室を飛び出そうとした。けれど、伊黒くんが思いっきりスカートをつかんできたのでこけそうになった。


「……や、めて、くれ…」

「えっ!?えっ!?」


呼吸しやすくするためか珍しくマスクを外した。


「…すぐ、おさまるんだ、こうしたら」


ぎゅっと胸元をおさえていた。
すると本当におさまっていった。私はオロオロとしてその様子を見守っていた。


「……すみません、先輩」

「別にかまわんが…お前、どうしたんだよ。」

「……実は…」


伊黒くんは少しうつむき気味に理由を話し出した。
/ 457ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp