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キメツ学園【鬼滅の刃】

第4章 煌めき


部室ではアホの冨岡くんが一人で本を読みながら詰め将棋をしていた。
あれが好きらしく、最近は夢中でやっている。


「冨岡くん、さっき学園長に初めて会ったの。」

「そうか」

「冨岡くん、まぬけだね」

「そうか」


聞いてない。


私は彼の顔を覗き込んだ。驚いたように彼が身を引いた。


「いたのか、霧雨」

「いたよ。そして話しかけた。」

「あぁ…すまない、何だ?」


私はまた同じことを言った。


「学園長?そういえば入学式にいなかったな。」

「そう。それで…何とその学園長…お館様に瓜二つなんですよ。」


冨岡くんの顔が変わる。


「……お館様も転生されたと?」

「わかりません。前世の記憶があるのかもわかりません。ですが見間違えるはずもなくお館様でした。」

「……そうか。」


彼は本を閉じて駒を片付け始めた。


「病気は?」

「特にそれといったことは。お一人で歩かれていました。誰の支えもなしにです。」

「そうか」


冨岡くんは少し嬉しそうだった。
私はそのまま彼と勝負をした。


また勝った。やっぱりアホだ。



















































私が家に帰ると明かりがついていなかった。実弥の家には明かりがついている。いつも通り。

親は夜遅くにしか帰ってこない。私も疲れたらすぐ寝てしまうのでここ三日ほど会ってないか。

特に寂しくとも何ともなく。


……前世が前世だからか生きていたら良いかと思っている。


生きていたら会える。以上。


私は自分の部屋に戻って窓を開けた。

真隣は実弥の部屋。


私に気づいたのか彼は窓を開けた。


「んだよ。」

「お館様にお会いしました。」


そう言うと、実弥は窓枠に身を乗り出した。何だと思っていると足を外にだし私の部屋の窓枠をがっ、と手でつかんだ。
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