第4章 煌めき
窓から窓へ飛んで私の部屋に侵入した実弥は戸惑う私の肩をつかんでぐわんぐわん揺らした。
「会ったっていつ!?どこだあ!!病気は!!」
「あ、さ、ね、ちょ、ま」
揺らしたあと、彼は真面目な顔になって私の肩から手を離した。
「……俺が」
実弥は力なく項垂れた。
「俺が……」
ぐっと言葉を飲み込んだ。
「記憶があるかどうかはわかりません。病気のようには見えませんでした。一人で支えもなく歩かれていました。今世ではキメツ学園の学園長として働かれているようです。お優しくお声かけしていただきました。」
私が言うと、実弥は顔をあげた。
「本当か…!?」
「はい」
「会える…のか」
「会えるんじゃない?学園長だもん。」
「み…見るだけでいいんだが。」
実弥の物言いに私は吹き出してしまった。
「不死川くんは初対面で啖呵きったのに、実弥は純情だね。」
「そ…その話しはすんじゃねえ!!俺はもう帰るかんなッ!!!」
勝手に侵入しておいて何を言うのか。
彼はさっきと同様に窓から窓へ移動してぴしゃりと窓を閉めた。危ない。落ちたらどうするんだ。
私も窓を閉めた。
ご飯どうしよう。久しぶりにカップラーメンでも食べようかな。