第23章 面影
というわけで。
次の日。午前中に宇随先輩、実弥、カナエ、私が集まった。
学園からは近くもないし遠くもないような距離を経て教えてもらった家に到着する。
そこは、まるで私たちはお金持ちですと言わんばかりの門構え。……わざとなのか、前世の煉獄邸と似てる…いやもう、一緒。
「……?どうしたの?」
「ひぇ!?な、ナンデモナイヨ…」
「でも、顔が真っ青よ?」
「…そんなことないよ」
前世が思い出された。
最初は優しかった槇寿郎殿は、いつしか私をひどく嫌うようになってしまった。納得できず、何度か家を訪ねたが。
そのときのことを思い出すと、正直怖い。仕方ないこと。私が罪を犯したから。罰せられるのは、辛くない。でも怖い。
……私が、父親を殺さなければ…あんなことはなかったのにと、何度も思った。
実弥がちらりと私たちを振り返って、すぐにインターホンを押した。
「おぉ!よく来たな!!」
朝からすごい声だ。
「うーっす」
「これ、親に。」
「おはよう、煉獄くん」
「…おはよう」
それぞれ挨拶をして家に入った。実弥が渡した手土産は、道中で買ったものだ。
「わざわざありがとう!両親も弟も楽しみにしていたんだ!」
入れ入れと押すので皆で中に入る。
外見は全く前世と同じだったが、中身は現代的かつ洋風のものが取り入れられていて全く違っていた。
…よかった。まだあんな原始的な生活をしていたらどうしようかと。
今日は前世の皆で仲良く語り合おう!という予定らしい。カナエから聞いて、それなら私は行かないと言った。
何度でも言うが、私は、前世で、ここにいる人達と仲良くなかった!!
でもカナエはもう行くってメッセージを送ってしまったからと聞かなかった。
「さぁ皆、入ってくれ!」
……あぁ、とうとう。
とうとうご対面…!!