第23章 面影
「でも、煉獄くんに呼び出されたって聞いたわ。それは事実よね?」
カナエをやっと納得させたかと思えば今度はそれに関して質問された。
……告白されたことは黙っておこう。結局…私、煉獄くんふっちゃったってことになってるし。
ていうか告白してくる人全員に思うんだけど、何で中学生とか高校生とかで付き合おうとするの!?私は…確かに前世じゃ嫁に行き遅れたおばさんだったけど!!手がはやいんじゃないの!?大正時代の見合い結婚かよ!
…ということはカナエと無関係なので黙っておく。
「前世の話をちょっとして、家の道場に遊びにきたらどうかって言われただけ。」
「え!?も誘われたの!?」
「…“も”っていうと……」
「やった~!じゃあ一緒に行きましょう!!いつがいい?明日?」
「いや、明日は突然すぎて迷惑じゃ…」
「え?何?今煉獄くんにメッセージ送ったからね~。」
……どいつもこいつも人の話を聞かない奴だな。
「あ、宇随先輩と不死川くんも明日行くんですって!」
そして返信はやっ!?
「…あの二人も煉獄くんのこと知ってたの?」
「えぇ。煉獄くん、けっこうためらいなく話しかけているらしいわ。前世の記憶は皆あると思っていたんですって。みたいに記憶のない人もいるって教えたんだけど…。」
「それなのに話しかけてきたのか…。」
でも…まぁわざわざ部活を見に行ってる時点で前世の記憶あるんじゃないかとか思うよね。アマモリくんに連れていかれただけなんだけどっ!!!
「わぁ~。明日が楽しみ!」
「…行くこと決定なんだ。」
「予定あるの?」
「ないよ!」
「じゃあ…決定!」
カナエが両手を合わせてうふふ、と微笑む。
……まじか。
まじ、なの、か。