第16章 餓鬼
次の日の放課後、カナエと一緒に彼女の家に向かった。
「カナエは何が苦手なの?」
「え?」
「勉強。私、数学だめなんだぁ。」
「あぁ…私、国語かな。」
そんな話をしているうちに到着。十分ほどだ。でも歩くと遠いだろうな。
玄関前で慌ててあることを思い出し、鞄からそれを出した。
「これ、おばあちゃんが持たせてくれたんだけど…」
「まぁ、ありがとう…!うち共働きで夜まで親がいないんだけど、帰ってきたら渡すね。」
大したことのないお菓子だけれど、カナエは喜んでいた。
「さあ、入って入って~」
「お邪魔しまーす…」
思えば、友達で実弥以外のお家にお邪魔したことがない。すごく緊張する。
「私の部屋、二階あがってすぐなの。お茶持っていくから待ってて。」
「うん。」
私は従ってそのまま階段を上った。言われた通りの部屋に行くと、いかにもカナエらしい女の子の部屋。
ぬいぐるみとか、漫画とか、雑誌とか。
物は多いがすっきりと片付いていた。…私の部屋、やっぱり変なんだろうな。ぬいぐるみとか持ったことないし。かわいいなぁ、カナエの部屋。
見渡していると、部屋のドアが開いた。カナエが来たと思ったが、違った。
そこにいたのは、小さな女の子だった。美人な顔立ちがカナエにどこか似ていて…?
「カナエの妹さん?」
「……そう、です」
「こんにちはぁ」
かわいい。なんだ、妹いたんだ。教えてくれれば良かったのに。私は微笑んで両手を振った。
「……よくもまぁ、今更そんな顔が出きるものです」
「へ?」
…何だ?つい最近見たテレビに影響を受けたのか?
……何ごっこなんだろう。ちょっと元ネタがわかんないな…。
「しのぶ」
「姉さん」
すると、カナエが部屋の前に姿を見せた。
「……ごめんね、。実は今日…しのぶに会って欲しかったの。」
「そうなの?でも…妹がいるなんて言ってくれなかったじゃない。一人っ子だと思ってた。」
私がそう言うと、二人は驚いたように固まった。