第15章 朦朧
おばさんが作った天ぷらを食べる。おじさんも帰ってきた。
おじさんが誕生日席で、おばさんと玄弥くんが隣。その向かいに私と実弥。
「何だ、実弥は大人しいな。女の子がいるとそうなのか。」
「あぁ?」
実弥が青筋を立てる。…おじさん、何言ってんのあんた。
「お風呂でのぼせたみたいですよ~。一人我慢風呂大会してたの?」
「うっせェ」
「図星ですって。」
私が言うと実弥はギャんギャん騒いだが、全て聞き流した。
「とおちゃん、かあちゃん好き?」
「好きだよ」
「とおちゃん、ねえちゃん好き?」
「……玄弥、それはちょっと。」
おじさんがはぐらかす。私は思わず吹き出した。
「ふ、ふふふ、お、おじさん、遠慮しなくて、ぶっふ、良いんですよ…!!」
「とおちゃん、ねえちゃんきらいなの?」
「好きだよ。だから泣くな。」
「ぶっふ、ぐ、ふふふ、ふ、…ッ!!!」
「お前笑いすぎだ。」
「おじさん相変わらずおもしろ~い!!!」
昔からこの家の大黒柱は私の笑いのツボを適切についてくる。
小さい頃はおじさんの顔を見るだけで笑っていた。
「相変わらずちゃんに遊ばれてるわねえ。」
「ふん、今だけさ。」
「それ何回目かしら?」
おじさんとおばさんもにこにこと笑って楽しそうだ。
「いやー、笑った。」
「何が面白いのかわかんねぇ。」
実弥は呆れながら天ぷらを次々に口に含んでいた。……よく食べるなぁ…これが男の子か。
少しドキッとした。
……のは、気のせい!!です!!!