第15章 朦朧
皿洗いを手伝い、テーブルを片付ける。
「おばさん、おじさん、ありがとうございました」
「…ちゃん、泊まっていっていいのよ?」
「私、平気です。」
「……」
おばさんとおじさんが心配そうに顔を見合わせる。
「女の子一人だし…。」
「何かあったらかけこんでこい。」
「はい。」
私は二人と玄弥くんに挨拶をして家に帰った。実弥はいなかった。
家の明かりはついてなくて、おばあちゃん達はいなくて。
『ごめんね、多分明日の夜に帰るから。友達はよくなるみたいなの。』
と、メッセージが入っていた。
返信をして風呂に入り、歯を磨いてベッドに寝転がった。
まだはやいけど、もう眠たいし。
明日は教室に行こうかな……。
いや……。まだ、やることがある。
私は暗くなった部屋でスマホのアプリを起動させた。
明日は将棋部の活動日だ。