第15章 朦朧
ブロックで盛り上がるが、私はどうも箱を作るしか脳がないようだ。
「ねえちゃん、ねえちゃんは玄弥好き?」
興奮状態で聞いてくる。可愛いなぁ。小さい子ってこういうこと聞いてくるんだ。
「うん、好きだよ」
「にいちゃんは好き?」
……にいちゃんって実弥、だよね。
「うん、好きだよ~。」
「何やってんだァ?」
「うおっ」
思わず変な叫び声が出た。
実弥がじろりと睨んでくる。
……って今聞かれた?変じゃなかったよね、うん。
でも自分の部屋にいたはずなのに。あ、でも良い匂いする。……風呂入ってたのか。スウェット着てるし。
「ブロックしてるの」
「お前それ好きだなぁ…。って、何だこの箱。」
あ、それ、私の作品です…。
「にいちゃん」
「あ?」
「にいちゃんはねえちゃんのこと好き?」
「あぁ?」
実弥は私の隣に座り込んで私が作った箱をばらして何やら作り始める。
「んー」
「………」
え、今、それ、答えたの!?
ちゃんと答えなさいよおおおおお!弟が聞いてんでしょうが!!
……まぁ、幼い弟の言うことですからねぇ。本気にする方がバカだ。
「ねえちゃん、玄弥のこと好きだって。玄弥もねえちゃん好きー。」
「そうか、良かったな。」
「にいちゃん玄弥のこと好きだよね、ねえちゃんのことも好きだよね。いつも言ってるもんね。」
バキン!と音がした。
……実弥の手の中でブロックが割れた。
「…あんた何て握力してんの?」
パラパラと破片が落ちる。玄弥くんが不思議そうにそれに手を伸ばすので慌てて私が拾った。
「玄弥くん、好き好き言いたい時期なの?毎日だなんてハマってるのね。」
「…あぁ。」
「何、実弥のぼせたの?耳赤いけど。」
実弥はそこでブロックから手を離した。
欠けたそれを床に放り出し、盛大なため息とともに頭を抱えた。
「どうもそうらしいなァ……」
と言うので、私と玄弥くんで全力であおいであげた。