第14章 追撃す
「!謝りたいの!お願い、でてきてくれないかしら…!」
カナエの声がする。
「……いやぁ、その…!あの、大丈夫、大丈夫なんで!!」
私はとっさにいい加減な答えを返した。
ムリムリムリムリ!!だって、どんな顔したらいいかわからない!!
「私、本当にわからないの!知らないの!!お願い!もう聞いてこないで!!」
「聞かないって約束する、だから出てきて!!」
私達の言い合いを聞いていた先生が間に入ってきた。
「だめですよ、保健室で騒ぐのは。胡蝶さん…いったい何を言っているのか先生わからないのだけれど。」
「私が悪いんです、珠世先生…。私、を追い詰めてしまって……。」
待て待て待て待て話すつもりか!?いやあり得るな!?カナエは天然というかのほほんとしてるし、度々大きな声で前世の話とかしてくるものだから困ってしまう。
「カナエそれはだめえええええ!!」
私は机から這い出て先生とカナエの間に割って入った。
「霧雨さん、どういうことですか?説明してください。」
「い、いえ、言うほどのものでは…」
「胡蝶さんが原因なの?」
「違います、私、私…」
上手く言葉が出ない。珠世先生の目が私をとらえて離さない。
「先生」
すると、開けられていた保健室のドアから新たな人物が登場した。実弥と冨岡くんだ。
そっか。お昼休み明けの授業、体育だ。体育館に行く途中に保健室はある。隣のクラスと合同でやるからカナエもいるんだ。
「俺らも共犯です」
「……だからよそうと俺は言ったんだ」
冨岡くんが眉間に皺を寄せる。確かに、彼は何だか話し合いに後ろ向きだった。