第14章 追撃す
次の日、私は登校した。
が、冨岡くんがいると思うと教室には行けない。隣のクラスのカナエも。
私は真っ先に保健室に向かった。
「す…す、すみません……」
保健室の先生は優しくて美人で有名。
珠世先生と言って、この前もお世話になった。そう。頭痛でぶっ倒れたとき。
「あら、おはようございます。霧雨さんですか?」
「は、はい…えーっと、担任の先生が…。」
「はい、聞いていますよ。」
珠世先生がにこやかに笑う。
私は中に入った。
「……紅茶は好きですか?」
「へ、あ、好きです」
「お砂糖は?」
「あー…な、何も入れない…ので…」
座るよう言われた椅子に腰かける。
可愛いティーカップに紅茶が注がれる。
「どうぞ、皆には内緒です」
「……はい」
熱い紅茶を流し込む。美味しいけど火傷した気がする。いや、した。あっちぃ。
「あの、先生。私迷惑じゃなかったですか。」
仕事の邪魔になってないかと思い聞いてみた。
「いいえ。誰かと一緒にいるのは好きですから。」
優しい。天使か。
「それじゃあお勉強しますか?」
「え」
「大丈夫です。何の教科でもわかりますよ。」
そんな天使もとい珠世先生が悪意もなくそう言ってくる。これは断れん…!!はげたおっさんより珠世先生に教わりたいしっ!!!
「お願いします!一週間分たまってるんで!!みっちりお願いします!」
こんなチャンス滅多にない!さようなら、はげたおっさん…国語の鈴木先生ッ!!!