第12章 かすがい
そんな生活が火曜日も続いた。
水曜日になると家にカナエが来たけれど、私はおばあちゃんに出てもらった。何を話していたのかは知らない。ただ、コンビニのプリンが枕元に置かれていた。
木曜日にもなると二人が心配しだし、病院に連れていかれた。特に異常がないことが発覚。しかし具合悪そうにしていたらストレスと決着がつく。
その日の夕方に担任が来た。私は出なかった。部活が終わる時間帯に宇随先輩と冨岡くんが来た。意外なペアだなぁと思いつつやはり出なかった。おばあちゃんは輩先輩と何やら玄関で気さくに話していた。
その日の晩に固定電話に悲鳴嶼先輩から電話があったそうだが、私は部屋にこもってこれも出なかった。
病院以外で外に出ることなくベッドでゴロゴロしていたので、本当に具合が悪くなってきた。
一日中考えた。冨岡くんの問いについて。
私を殺したのが鬼殺隊……。
覚えている。死の瞬間も何もかも。でも。
実はわからないことがあるのだ。私はわからなかった。今はあの質問にハッキリとはうなずくことができない。
だから逃げた。だから考えた。
でも。
「、晩ごはん食べる?」
「……今日はいいかな…」
「…そう」
金曜日になると食欲も消え失せた。
おじいちゃんとおばあちゃんに心配をかけているのはわかっている。二人は両親とのいざこざが原因だと思っているみたいだし、特別何かを聞いてくることはない。
土曜日は何もなく終わった。いよいよ日曜日。
月曜日のことを考えると憂鬱だ。部活も行っていないし。
ベッドで寝転んでいると、固定電話がなった。おばあちゃんが電話に向かう足音がする。
「、先生から電話よ。」
おばあちゃんに呼ばれた。出たくなかったけれど、さすがにそろそろ危機感を覚えたので出た。
「もしもし」
『霧雨さん、こんにちは』
「こんにちは」
担任の声色は優しかった。
『体調は大丈夫?』
「えー…け、けほん」
咳き込んで見せたが元気そうな咳払いにしかならなかった。