• テキストサイズ

キメツ学園【鬼滅の刃】

第12章 かすがい


カナエが言うには、こうだ。


「あなた、何か大切なことを隠していたんじゃないかしら。」

「……隠す…?」


私はカナエの発言の意味がわからなかった。


「霧雨さんの遺体は悲惨なもんだった。両足と左手の欠損。だがそれ以上に気になったのはな。」


自分の死体の話は気味が悪い。
…まだ思い出せる。生々しいくらいに。

死の間際。


「どういうわけかあんたの死体と遺品は刀を除いて全て盗まれた。本部への運搬途中にだ。」



私は心臓を握りつぶされる気分だった。
死ねば終わり。そんな優しい世界ならば良かったのに。

来世が来たからって、嬉しいことでもない。


「、あなた少し様子がおかしな時があったわ。会議にいなかったり、お館様に無断で他の担当地区に行ったり。何をしているのか聞いても答えてくれなかったでしょう?」

「……別に、私は…」


悲鳴嶼くんが発言する。


「霧雨の遺書…内容までことこまやかに私は覚えている。お前の遺書は異様だった。」

「……」

「お前は死期を悟ったように突然遺書を書いた。…遺書は霧雨の死ぬ数日前にお館様に届けられたと聞いた。」


私はいてもたってもいられなくて立ち上がった。


「帰ります」

「まあ待て。座れ。」


宇随くんが促す。

私は立ったままだった。


私はどうしたらいいのかわからなかった。戸惑って、黙り込んでしまった。
/ 457ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp