第12章 かすがい
休日で部活もないのに、私たちは学校の美術室に集まっていた。
私、実弥、カナエ、宇随先輩、冨岡くん、悲鳴嶼先輩で。
小学校の話し合いみたいに、机を円にして。皆座っていた。
ああぁ気まずい。特に実弥。私、実弥に変なこと言ってそれっきりだもん。
「集めたのは俺だ。」
宇随先輩が言う。
このメンバー的に何の話かは想像できる。
「この度、霧雨さんが悲鳴嶼さんを思い出したことで…霧雨さんの天下時代の柱…この学院にいる面子に限るが正式に揃ったことになる。」
「すみません宇随くん、何を言っているんでしょう。わかりません。わかりませんから説明してください。あとその言い方、不快です。」
私が正直に言うと彼は物怖じせずにまた言ってきた。
「このなかであんた、一番強かったろ。一番年くってたし。」
………腹が立ったがまぁ事実だ。大人の対応をしなければ。
このなかで一番年くってますからねッ!!
「強かったかと言われれば少し疑問が残るところです。が、宇随くんは何用で私達を呼んだんですか。」
「霧雨さんのことだよ」
すると、冨岡くんが口を挟んだ。
「俺は気になると言っただけだ。大それたことをするつもりはない。」
「わーってるよ。でも確かめなきゃいけねぇことがあんだろ。」
最後に、悲鳴嶼くんがまとめた。
「……霧雨の遺書だ…」
「………はい?」
「霧雨の死には不可解なことがあった…」
私は首をかしげた。
「私の死について何か疑問があるようですが、それならなぜカナエがいるのですか。彼女は無関係ではありませんか。」
「……いいえ、。無関係というわけではないのよ。」
カナエは悲しそうに発言した。