第6章 美しい悲劇

「っっ…」

スカートを捲り上げ、下着のなかに手を差し込んできた。

「おや、ぬしさま？」

「黙っ、て」

判ってる。びっくりするくらい濡れてることくらい。

「よいのですよ？ぬしさまはぬしさまの意思とは関係なく、私たちの想いが強いほど感じてしまうのです。恥ずかしいことではありませんし、ぬしさまのせいでもありませんよ」

と言われても、恥ずかしいものは恥ずかしい。

「私たちの想いはぬしさまにとって媚薬、のようなものと聞きました」

あぁ、そうなのか。薬に侵されてると思えばいいのか。

「ここ、疼くのでしょう？」

震えながら小さく頷くと、下着を脚から抜き取り、指で割れ目をなぞった。

「っっ」

私ので濡れた小狐丸の指が、既に敏感になりすぎている赤く主張する芽を擦り上げる。

「…ぁっ、ぁ、ぁ」

小さく声を出す私に、

「ここが気持ちよいのですね？」

さらにくりくりと撫で回し始めた。

「んっ、ぁぁっっ」

びくんと、脚を突っ張り絶頂を迎えてしまうと、

「小狐の想いが強すぎてぬしさまを壊してしまいそうです」

言いながらまた擦り始める。

何度も身体を震わせる私に、

「思う存分気を遣ってくれてかまいませんよ」

小狐丸が言った。

「やっ、だめっ」

小狐丸の指が今度は私のなかに侵入し始める。

長い指がズブズブと入ってなかで動き回った。

「んっ、んっ」

必死で快楽から逃れようとする私の上半身を捻らせ、少し後ろを向かせると、被さるように唇を塞ぐ。

きつい体勢でのキスにまた芯が疼き、小狐丸の指を締め付けた。

ぐちゃぐちゃと響く水音に耳が犯される気がしてくる。

「ひっ、んんっ」

強く小狐丸の指を締め付けて達した私を、後ろから抱き締めたまま落ち着くように揺らす。

「ぬしさま、小狐を受け入れてください」

少し震えが収まってきた私の身体を四つん這いになるように下ろすと、着物を脱ぐ音が聞こえ、後ろから腰を掴み小狐丸が挿ってきた。

「はっ、ぁ…」

小狐丸らしい、というのはおかしいかもしれないが、後ろから攻め立ててくる。

「ぁっ、あぁ！！！」

正直後ろから攻められるのには弱い。

突かれて最奥を刺激される度に小さな快感の波がおそってくる。

「やっ、こぎ、つねぇ」

「ぬしさま、とてもかわいらしい」

握りしめた手が白くなっていた。