第20章 Don't worry,don't worry
「も、ダメ…」
「大丈夫。どうせ明日私は部隊に組まれていないのだろう?なら私が慧さんの手伝いをするから」
何度となく体位を変えながら石切丸が攻め続けてくる。
「あ、ゃだ、イく」
いくら訴えても終わってくれず、また高みに運ばれた。
「んーっ」
下腹部の痙攣は止まらないし、与え続けられる快楽にもういろいろ限界で、
「石切、さんっっ!!」
「なんだい?」
「おねがっっ、も…」
涙の止まらない目で見つめると、
「少し中断するかい?」
動きを止めて唇を重ねた。
それでもなかには石切丸が入ったままで、圧迫感に疼く。
「私と祝言を挙げないかい?」
「っ…無理、今は!!」
10年後なら、という意味は伝わったのか、
「ならば、この指輪に誓おうね」
シーツを握りしめる指に自身の指を絡めた。
「あっ」
「私が慧さんと夫婦になったら他の男士が入る隙もないくらいに愛してしまうけど、いいかな?」
「え?」
一瞬で戸惑ってしまった私に気づいたのか、
「冗談だよ。そんなことをしたら今度こそ本当に私が折られてしまうからね」
石切丸が笑ったが、正直冗談には聞こえなかった。
何度も口づけられ、また何度も頂点を迎え。そのまま石切丸と朝を迎えた。
寝室から出ると清光と鶴丸が待っていて、朝食を摂るなり町へと引きずり歩いていく。
少し恐怖の甦る道だったが、両手がしっかりと握られていて逃げられなかった。
そしてたどり着いた店で、私の指に合う指輪を吟味する。
まさかの左手薬指に三連の指輪になってしまい、
「邪魔…」
言ったが聞いてはもらえない。
「慧は家事しなくていい」
「俺だけの慧ちゃんでいてねー」
鶴丸と清光が嬉しそうに言った。
「家事はするし、私はみんなの審神者です!」
言いながらも指輪を贈ってもらえたことは嬉しかったから、素直にお礼を言い、こちらにいる間はつけておこうと決めた。
「早く10年経たないかな」
「きっとあっという間さ。俺たちが生きてきた長さに比べればずっと短い」
10年後、私はここに身を捧げる。
これは多分現実での死を意味するのだろう。
だけどなんでだろう。
もうちっとも怖くはなかった。
むしろ10年、あちらとこちらの生活を贅沢に楽しませて貰おうと思った。